リハビリテーション科医に必要な消化器疾患の知識と近年の進歩
6. 膵疾患とリハビリテーション
竹山 宜典
1,2
,
里井 俊平
1
1大阪暁明館病院外科
2近畿大学医学部 外科学教室肝胆膵部門
キーワード:
膵癌
,
サルコペニア
,
運動療法
,
QOL
Keyword:
膵癌
,
サルコペニア
,
運動療法
,
QOL
pp.1445-1450
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033141445
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●はじめに
膵臓は,消化酵素を合成する腺房細胞とそれを十二指腸へ分泌する導管細胞からなる外分泌部と,インスリンやグルカゴン等のホルモンを血液中に分泌するランゲルハンス島からなる内分泌部で構成される.外分泌機能を通じて消化吸収作用の中心的機能を果たし,内分泌機能を通じて同化と異化反応を制御するため,膵臓に異常をきたした場合には,代謝栄養異常とともに筋骨格系の維持にも影響が及ぶ.さらに,膵疾患を手術的に治療する場合には,代謝栄養状態に対する特別な配慮が必要となる.最近になって,栄養状態のみならず骨格筋と運動機能の状態が,膵疾患の予後や治療経過に影響することが明らかにされ,それらを維持するためのリハビリテーションの重要性が認識されてきた.本稿では,膵癌に絞って膵疾患の臨床におけるリハビリテーションの意義と位置づけに関して概説する.
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