Japanese
English
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
2021年に発刊された「慢性疼痛診療ガイドライン」は,日本運動器疼痛学会,日本口腔顔面痛学会,日本疼痛学会,日本ペインクリニック学会,日本ペインリハビリテーション学会,日本慢性疼痛学会,日本腰痛学会に,全日本鍼灸学会,日本頭痛学会,日本線維筋痛症学会を新たに加えた10学会より,本ガイドライン作成ワーキングメンバーが選出され,厚生労働省政策研究班「慢性疼痛診療システムの均てん化と痛みセンター診療データベースの活用による医療向上を目指す研究」の監修のもとで作成された.なお,本ガイドラインは2018年に発刊された「慢性疼痛治療ガイドライン」の改訂版である1).
本ガイドラインの基本構成は,クリニカルクエスチョンに対してAns(回答),推奨度,エビデンスレベル,解説の順で作成されている.推奨の強さは,「Minds診療ガイドライン作成の手引き2017」2)に沿って,1はする(しない)ことを強く推奨する,2はする(しない)ことを弱く推奨する(提案する)として,治療の推奨度が決定されている.また,エビデンスレベルは,A(高い),B(中),C(低い),D(非常に低い)の4段階で示されている.さらに,慢性疼痛の治療だけでなく,診断や評価,代表的な疾患についての各論も掲載しており,慢性疼痛にかかわる多くの医療者が活用しやすくなっている3).
本稿では,本ガイドラインのリハビリテーション医療における各治療法の有用性について解説し,さらに,筆者らが実践している慢性疼痛に対する認知行動療法(cognitive behavioral therapy:CBT)に基づく運動促進法(本法)の概要や治療成績などについても紹介する.
Copyright © 2023, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.