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COVID-19流行による言語聴覚士養成教育への影響
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは,リハビリテーション専門職養成教育の現場にも多大な影響を及ぼした.感染拡大期には,実習の中止や延期に加え,オンライン講義への転換,分散登校や登校時間の短縮によって,対面による講義や学生同士の学びが著しく制限された.その際,国際医療福祉大学(以下,本学)では教務委員会および情報システム室が中心となりGoogle ClassroomとZoomを用いた双方向オンライン学習システムが早期に立ち上げられ,学生の学びを継続させる環境づくりが行われた.われわれ言語聴覚学科の教員も,この新たな環境の中,対面に劣らない教育を行う方法を模索しながら奮闘した.
流行当初,オンラインでの学習は,教員も学生も不慣れであり,双方向性のメリットを生かす方法がわからず,一方向性の講義になる場合が多かったが,ポータルサイトが設置されるなど,徐々にオンラインであっても双方向のやりとりを行うノウハウが蓄積され,本学言語聴覚学科でもオンラインでのグループワークやディスカッションが行えるようになった.それでも,オンラインによる学習には制限があり,特に,学生が講義時間外で行っていた学習のしにくさが目立った.例えば,学生同士で検査や言語訓練の手技を練習する,壁に掲示されている他グループの発表ポスターを見て回る,などである.そこで,われわれはこれらの問題点を少しでも解決するため,訓練手技の動画作成や,学生がオンライングループワークで作成した資料を講義時間外でも自由にGoogle Classroom上で閲覧できるよう環境を整備した.現在では,対面による授業展開が基本となったが,COVID-19流行期に導入したこれらGoogle Classroomを用いた資料共有システムは,Withコロナとなった現在も継続し,対面講義に組み込まれている.
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