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はじめに
小児脊柱に対する治療は,装具を中心とした保存治療を行い,それでも進行し40〜45°まで達すると一生進行し続けるので,骨格の成長がほぼ終了しかける時期(女子12〜15歳,男子14〜18歳)に後方ないしは前方から矯正固定を行うというものであり,これは今でも同様の考え方で行われている.骨未成熟な10歳未満に高度弯曲に達し成長終了まで待てない場合は,成長を温存しつつ弯曲をコントロールする方法としてHarringtonのinstrumentation without fusion1)やLuque trolly2)が考案され1980年代から行われていたが,その合併症の多さから1990年代には,ほとんど行われなくなっていた.
1990年代後半,Campbellら3,4)が胸郭不全症候群という疾患概念とventral expandable prosthetic titanium rib(VEPTR)を用いた胸郭形成術を開発,続いてAkbarniaら5)がDual Growing Rodを開発し,この年代の側弯治療は,その後20年間全世界の側弯症専門家が最も注目する分野になり,現在に至っている.本稿では,10歳未満の脊柱側弯(早期発症側弯症)に対するこれら成長温存手術(growth friendly surgery;GFS)の解説と最新の治療について解説したい.
GFSは,その矯正概念からdistraction based system,growth guidance system,compression based systemに大別される6).そのおのおのの基本概念,術前後のリハビリテーション診療について述べる.
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