書評
『小児脊柱変形治療の最前線』
小澤 浩司
1
1東北医科薬科大学整形外科学教授
pp.798-798
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_798
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小児脊柱変形とは思春期特発性側弯症,先天性側弯・後弯症,症候性側弯症とさまざまな原因による幼児から思春期に生じる脊柱変形をさす.本書の姉妹本である『成人脊柱変形治療の最前線』に揃えて,タイトルを『小児脊柱変形治療の最前線』としたと思われる.本書は設立55年となる日本側彎症学会が総力をあげて作成した教科書である.本書が刊行された経緯は,前書きに詳しく述べられている.日本側彎症学会教育研修委員会で日本語で書かれた側弯症の教科書を作成することが企画され,2013年に『側弯症治療の最前線―基礎編』,2014年に『側弯症治療の最前線―手術編』が発行された.病態から最先端の治療まで側弯症のすべてを網羅し評価の高かった本であったが,残念ながら絶版となり各方面から惜しまれていた.今回,内容を一新して2冊を1冊にまとめて刊行された.本書の執筆陣をみると,側弯症のオーソリティから気鋭の若手までが執筆している.特徴的なのは,全員が現役で手術を行い,患者を診ていることである.そのため,実際的で説得力に富んでいる.
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