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特集 新しい整形外科手術とリハビリテーション診療
新しい頸椎の手術—頸椎人工椎間板置換術
A new cervical surgery, cervical total disc replacement
吉井 俊貴
1
Toshitaka Yhoshii
1
1東京医科歯科大学整形外科学分野
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
前方手術
,
可動性
,
隣接椎間障害
Keyword:
前方手術
,
可動性
,
隣接椎間障害
pp.459-464
発行日 2021年5月10日
Published Date 2021/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202218
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頸椎症の治療
頸椎症に対する治療は,神経障害の有無によって異なる.神経障害を認めない場合,通常は保存治療中心となる.生活指導,内服,運動療法を中心とした理学療法などで経過を観察する.神経障害は,神経根症と脊髄症に大別されるが,特に進行性の脊髄症に対しては積極的に手術が選択される.神経根症に関しては,一般に本邦では内服やブロック注射,理学療法などで保存的に治療されることが多いが,保存療法に抵抗する症例や麻痺を伴う場合には手術が選択されることもある.
手術の方法は前方法,後方法に大別される.前方法は前方からの圧迫因子を取り除き,固定を行うことで動的因子を制御し神経症状の改善を図る.後方法で代表的な椎弓形成術は,後方から脊柱管を拡大させて脊髄の間接除圧を行うものである.前方法と後方法は一長一短があり,術式の選択は常に議論の対象となっている1).本邦では発育性の脊柱管狭窄が多く,また後方椎弓形成術が本邦で開発され,発展してきた歴史もあり,前方法に比べて後方法がより多く行われている.しかし,前方に主たる圧迫病変を有するような症例に対しては前方からの手術が効果的であるとされている2).
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