Japanese
English
症例報告
両上肢再接着術を施行した症例に対する作業療法
Occupational therapy for a patient with both upper limbs replantation
西村 信哉
1
,
塚本 利昭
1
,
上里 涼子
2
,
三浦 和知
3
,
津田 英一
3
Shinya Nishimura
1
,
Toshiaki Tsukamoto
1
,
Ryoko Uesato
2
,
Kazutomo Miura
3
,
Eiichi Tsuda
3
1弘前大学医学部附属病院リハビリテーション部
2弘前大学大学院医学研究科整形外科学講座
3弘前大学大学院医学研究科リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation, Hirosaki University Hospital
2Department of Orthopaedic Surgery, Hirosaki University Graduate School of Medicine
3Department of Rehabilitation Medicine, Hirosaki University Graduate School of Medicine
キーワード:
ハンドセラピー
,
上肢機能
,
切断
Keyword:
ハンドセラピー
,
上肢機能
,
切断
pp.181-184
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202157
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 前腕切断や上腕切断では,神経回復までに時間を要することや挫滅損傷が多いために,再接着術後も機能予後が不良となることも多い.今回,両上肢切断再接着術後の作業療法を経験したため報告する.症例は70歳台男性,プレス機に両上肢を巻き込まれ受傷.同日弘前大学医学部附属病院にて右前腕,左上腕再接着術を施行.引き抜き損傷であり,神経・筋・腱の縫合が行われなかった.そのため,右上肢は肘関節の機能を使用したリーチ動作,左上肢は肘屈曲位にて物を引っ掛けるような補助手としての動作を獲得することを目標に作業療法を実施した.術後6か月で自宅退院し,術後3年で自助具を使用し食事動作,髭剃り,歯磨き動作は自立し,左手は補助手として使用可能であった.しかし,自助具の装着や上記以外の日常生活動作(activities of daily living;ADL)には介助が必要であった.再接着術を施行したことへの満足度は高かった.両上肢が温存されたことに加え,右上肢でのADLの一部が獲得されたことが症例の高い満足度につながったと考えられた.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.