Japanese
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症例報告
封入体筋炎に対するHAL®医療用下肢タイプを使用した歩行運動療法の効果
The effects of gait training with a robot suit Hybrid Assistive Limb(HAL)in patients with inclusion body myositis: a case series
岡部 憲明
1
,
西田 大輔
2
,
案西 淳
1
,
鳥飼 裕子
3
,
原 一
3
Noriaki Okabe
1
,
Daisuke Nishida
2
,
Sunao Anzai
1
,
Yuko Torikai
3
,
Hajime Hara
3
1済生会神奈川県病院リハビリテーションセラピスト科
2慶應義塾大学病院リハビリテーション科
3済生会神奈川県病院神経内科
1Department of Rehabilitation Therapist, Saiseikai Kanagawa-ken Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University Hospital
3Department of Neurology, Saiseikai Kanagawa-ken Hospital
キーワード:
HAL®
,
封入体筋炎
,
歩行
,
CK
,
理学療法
Keyword:
HAL®
,
封入体筋炎
,
歩行
,
CK
,
理学療法
pp.185-189
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202158
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要旨 【背景】封入体筋炎に対する,Hybrid Assistive Limb®(HAL®)医療用下肢タイプを使用した歩行運動療法の効果を明らかにする.【対象】2017年2月〜2018年2月の期間で,済生会神奈川県病院に入院した封入体筋炎の患者5例.【方法】HAL®を使用した歩行運動療法を1回60分,週2〜3回とそれ以外の日に通常の理学療法と作業療法を施行し,前後評価として股関節屈曲・伸展,膝関節屈曲・伸展,足関節背屈・底屈の徒手筋力テスト(Manual Muscle Testing;MMT),10m歩行試験による歩行速度,歩幅,歩行率,筋炎の活動指標として血清クレアチニンキナーゼ(creatinine kinase;CK)値を測定した.【結果】HAL®を使用した歩行運動療法により,歩行速度,歩幅,歩行率が増加した.さらに全例CK値は低下した.一方で,4例において股関節伸展の筋力向上が認められたが,膝関節伸展の筋力に変化はなかった.【結語】封入体筋炎5例に対してHAL®を使用した歩行運動療法を行うことで,歩行速度,歩幅,歩行率を改善させることができた.さらに,筋炎の悪化を防ぐことができた.一方で,股関節伸展筋力が向上したが,膝関節伸展筋力は変化しなかった.
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