Japanese
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症例報告
早期手指分離運動が有用であったZone Ⅴ屈筋腱損傷
Optimizing early independent finger flexion with Zone Ⅴ flexor tendon injury
西村 信哉
1
,
塚本 利昭
1
,
上里 涼子
2
,
三浦 和知
2
,
津田 英一
2
Shinya Nishimura
1
,
Toshiaki Tsukamoto
1
,
Ryoko Uesato
2
,
Kazutomo Miura
2
,
Eiichi Tsuda
2
1弘前大学医学部附属病院
2弘前大学大学院
キーワード:
早期手指分離運動
,
屈筋腱損傷
,
Zone Ⅴ
Keyword:
早期手指分離運動
,
屈筋腱損傷
,
Zone Ⅴ
pp.284-286
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201229
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Abstract:Zone Ⅴ屈筋腱損傷後の手指屈曲機能は良好であるとされているが,一方では各手指の分離運動が不良となるという問題点が指摘されている.今回Zone Ⅴ屈筋腱損傷患者に対し,術後5日目から早期手指分離運動を実施したので報告する.症例は16歳男性,バスケットボール部.ガラス窓を殴り,右FCR,FCU,示指〜小指FDS断裂(Zone Ⅴ)を受傷,他院にて腱縫合術を施行.術後5日目から当院でのハンドセラピィを開始した.開始同日に背側保護スプリントを作製,示指〜小指FDS,FDP単独,全体でのplace & hold exerciseを開始した.スプリントは日中術後6週まで,夜間8週まで装着した.術後5カ月で示指〜小指平均%TAM 97.7%,DASH-JSSH機能スコア7.5,手指分離運動も可能となり,バスケットボール部にも復帰した.術後早期に示指〜小指FDS,FDP各腱の滑走を促すことにより,隣接腱との癒着が回避され,手指分離運動が可能になったと推察された.強固な縫合が得られた症例には有用なハンドセラピィであると考えられる.
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