整形手術手技
重度手根管症候群に対する母指対立再建術 小皮切によるCamitz変法
南野 光彦
1
,
澤泉 卓哉
,
小寺 訓江
,
友利 裕二
,
高井 信朗
1日本医科大学武蔵小杉病院 整形外科
キーワード:
筋萎縮症
,
手根管症候群
,
手指
,
母指
,
最小侵襲手術
,
つまみ力
,
Camitz法
,
外転筋
,
ハンドセラピー
,
腱移行術
Keyword:
Carpal Tunnel Syndrome
,
Fingers
,
Muscular Atrophy
,
Thumb
,
Tendon Transfer
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Pinch Strength
pp.1076-1079
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016017288
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重度手根管症候群に対し小皮切によるCamitz変法で母指対立再建術を行った10例11手の治療成績を検討した。対象は男3例・女7例、平均年齢は66.8歳、術後経過観察期間は平均1年4ヵ月であった。全例で術後早期から手のしびれ、疼痛、母指掌側外転の改善が得られ、最終的には萎縮していた母指球筋も回復し、日常生活での満足度も高かった。母指掌側外転角は術前平均32°が術後平均56°に改善し、指腹ピンチ力は術前平均2.4kgが術後5.5kgに改善した。Kapandji対立テストは術前平均stage 2.8が術後早期から良好な対立位が獲得でき、平均stage 8.6となり、小指中手指節関節まで可能となった。Foucherらの評価法では全例がgoodであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015