Japanese
English
実践講座 がんのリハビリテーション—診療ガイドラインをどう活用するか・4
乳がん
Breast cancer
藤井 美希
1
Miki Fujii
1
1大阪国際がんセンターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Osaka International Center Institute
キーワード:
乳がん
,
手術
,
化学療法
,
放射線療法
,
リンパ浮腫
Keyword:
乳がん
,
手術
,
化学療法
,
放射線療法
,
リンパ浮腫
pp.563-566
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201969
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はじめに
女性のがんで乳がんは最も罹患率が高く,2015年の女性乳がんの罹患数は約84,000人,2019年の罹患数予測は92,200人と増加傾向であり1),女性のがん罹患全体の約20%を占める.罹患率は30歳台から増加を始め,40歳台後半と60歳台前半の二峰性のピークを示すが,この年代は仕事や子育て,介護など家庭や社会で多くの役割を担っている.乳がんはがんの広がり,病期に応じて手術,化学療法,放射線療法で治療するが,治療に伴う肩関節可動域制限などの上肢機能障害,倦怠感,活動性低下,リンパ浮腫などの問題が生じ,日常生活に支障を来し,生活の質(quality of life;QOL)の低下を引き起こす.
2013年に「がんのリハビリテーションガイドライン(以下,初版GL)」が発行され,2019年に改訂された「がんのリハビリテーション診療ガイドライン(以下,改訂GL)2)」は,リハビリテーション治療の益と害のバランス・患者の価値観や好み・コスト(患者負担)や臨床適応性を含めて推奨の強さが検討された.治療によって生じた上肢機能障害や活動性低下,リンパ浮腫などは日常生活に支障を来すことから,適切なリハビリテーション治療は重要である.本稿では改訂GLの「第6章 乳がん・婦人科がん」のうち乳がんに関する変更や追加点,使用方法について概説する.
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