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講座 悪性腫瘍(がん)のリハビリテーション1
悪腫瘍(がん)のリハビリテーション―オーバービュー
Oncological rehabilitation: overview
辻 哲也
1
,
木村 彰男
Tetsuya Tsuji
1
,
Akio Kimura
1静岡県立静岡がんセンターリハビリテーション科
1Division of Rehabilitation, Shizuoka Cancer Center Hospital
キーワード:
リスク管理
,
化学療法
,
放射線療法
,
手術
Keyword:
リスク管理
,
化学療法
,
放射線療法
,
手術
pp.753-760
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100869
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はじめに
高齢化社会に突入しつつある今日,わが国でもリハビリテーションという言葉は医療や福祉の分野で盛んに用いられ,一般の人にまでかなり浸透している.しかし,悪性腫瘍(がん)治療の分野ではどうであろうか? 残念ながら,わが国ではいまだに,「なぜ,がんセンターでリハビリテーション?」と思われる医療従事者も少なくない.欧米ではリハビリテーションはがん治療の重要な一分野として認識され,わが国においてもリハビリテーションの分野ではその必要性が認知されているにもかかわらず,いまだにがん専門病院でリハビリテーション専門医が常勤している施設は皆無で,療法士もごくわずかという寂しい状況にある.
静岡県ではがんの征服に取り組む拠点施設として,静岡がんセンター(Shizuoka Cancer Center Hospital;SCC)を駿東郡長泉町に開設し,2002年9月に開院した.SCCは,診療科として,リハビリテーション科専門医をはじめ数名の療法士から構成されるリハビリテーション科を有する本邦初のがんセンターである.本講座では,開院から約1年経過したSCCにおけるリハビリテーション科の活動を中心に,がんのリハビリテーションについて5回シリーズで解説する予定である.
今回はその第1回目として,がん治療のなかでのリハビリテーション医療の位置づけや概念,評価,治療方法について総論的に述べる.
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