Japanese
English
特集 周術期のリハビリテーション診療—何を考え何を診て何をするのか
脊椎・脊髄手術
Spine and spinal surgery
三上 靖夫
1
,
河﨑 敬
1
,
坂野 元彦
1
Mikami Yasuo
1
,
Kawasaki Takashi
1
,
Banno Motohiko
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科リハビリテーション医学
1Department of Rehabilitation Medicine, Graduate School of Medical Sciences, Kyoto Prefectural University of Medicine
キーワード:
脊椎・脊髄手術
,
周術期
,
リスク管理
,
リハビリテーション治療
,
合併症
Keyword:
脊椎・脊髄手術
,
周術期
,
リスク管理
,
リハビリテーション治療
,
合併症
pp.425-430
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201942
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
脊椎・脊髄手術は退行変性,外傷,腫瘍,感染などによる神経の圧迫を解除する除圧術と,安定性を失い配列不良となった脊柱の再建を行う固定術に大別される.かつては手術による侵襲は決して小さいものではなく,術者の多くは従来の長期臥床を強いる後療法に疑いをもつこともなかった.そして手術後長期間臥床した後の離床開始時にリハビリテーション治療が始まることが多く,術前の障害に,術後の安静・不動による機能の低下が加わるマイナスからのスタートであった.
現在,あらゆる外科手術の領域で技術革新に伴った術式の低侵襲化が進んでいる.脊椎・脊髄手術も低侵襲化が進み,除圧術は術翌日に,固定術でも数日以内に離床が許可されることが多い.手術後のリハビリテーション治療も従来に比べ大きく変化しつつある.しかし,手術侵襲が小さくなっても脊椎・脊髄手術の周術期には特有のリスクがある.また,高齢者の手術症例が増加しており,既往歴や併存症をもつ患者は少なくない.本稿では脊椎・脊髄手術周術期のリハビリテーション診療に重要なリスク管理について述べる.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.