Japanese
English
特集 回復期リハビリテーションに求められるもの
現状の課題と展望
Current status and visions of Kaifukuki rehabilitation ward
三橋 尚志
1
Takashi Mitsuhashi
1
1京都大原記念病院
1Kyoto Ohara Memorial Hospital
キーワード:
実績指数
,
FIM利得
,
介護福祉士
,
チームアプローチ
,
カンファレンス
Keyword:
実績指数
,
FIM利得
,
介護福祉士
,
チームアプローチ
,
カンファレンス
pp.143-149
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201873
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20年間の推移と直近の課題
回復期リハビリテーション病棟は脳血管疾患や大腿骨近位部骨折などで急性期病院での治療後,集中的にリハビリテーションを提供し,「日常生活動作(activities of daily living;ADL)を向上し,寝たきりを防止し,在宅復帰を促進する」ことを達成する目的で2000年4月に制度化された.施設基準もハード面,ソフト面で規定され,特に多職種協働のチームアプローチが図れるように看護師以外の医師,理学療法士,作業療法士を病棟専従(2000年当時)とされた.
2008年からは「質の評価」が導入され(表1),2年ごとの診療報酬改定(以下,改定)で在宅復帰率,重度患者の受け入れおよびADL改善,リハビリテーション提供単位(個別リハビリテーションを最低1日2単位以上提供し,6単位以上を評価),休日のリハビリテーション提供,病棟専従職種の拡大(言語聴覚士,社会福祉士),管理栄養士の選任配置(努力規定),急性期病院からの早期受け入れ(A項目の導入),アウトカム評価(実績指数)などの評価指標が導入された.回復期リハビリテーション病棟協会(以下,協会)が毎年実施している「回復期リハビリテーション病棟の現状と課題に関する調査報告書」(以下,実態調査)の2019年度版1)によると,質の評価が導入された2008年度以降,回復期リハビリテーション病棟入院料は複数存在しているが,入院料が3段階となった2012年度以降では入院料1の割合が徐々に増加し,2017年度は61.9%と6割以上の病棟が入院料1を算定していた(図1)1).これは多くの病院が質の評価に対してしっかりと対応してきた証といえる.
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