Japanese
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研究と報告
脳卒中回復期における訓練時間とFIM利得との関係―日本リハビリテーション・データベースの分析
Training time and FIM gain in patients with stroke in Kaifukuki rehabilitation hospitals.
徳永 誠
1
,
近藤 克則
2
Makoto Tokunaga
1
,
Katsunori Kondo
2
1熊本機能病院リハビリテーション科
2日本福祉大学社会福祉学部
1Department of Rehabilitation Medicine, Kumamoto Kinoh Hospital
2Faculty of Social Welfare, Nihon Fukushi University
キーワード:
訓練時間
,
FIM利得
,
脳卒中
,
層別化
,
リハビリテーション医療の質
Keyword:
訓練時間
,
FIM利得
,
脳卒中
,
層別化
,
リハビリテーション医療の質
pp.245-252
発行日 2014年3月10日
Published Date 2014/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110437
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要旨:〔目的〕1日あたりのリハビリテーション単位数(以下,訓練時間)の増加が,回復期リハビリテーション病棟における脳卒中患者の機能的自立度評価表(Functional Independence Measure;FIM)利得(退院時FIM-入院時FIM)を向上させるのかを複数の病院データで明らかにする.〔対象と方法〕対象は,日本リハビリテーション・データベースに登録された脳卒中患者3,590例から選択基準を満たした1,081例.登録データが多い5病院に着目して,病院ごとに,FIM利得を目的変数,年齢・発症から入院までの日数・在院日数・入院時FIMを説明変数とした変数選択重回帰分析を行った.〔結果〕全患者でみると,訓練時間とFIM利得にはほとんど相関がなかった(r=-0.07)が,病院ごとの平均訓練時間は3.0~6.5単位と大きく異なっていた.そこで病院別に分析したところ,5病院のうち4病院では8単位未満の範囲で,訓練時間が長い群で平均FIM利得が大きく,3病院では統計学的にも有意であった.平均年齢なども病院間で異なっていたため,FIM利得を目的変数とした重回帰分析を行った結果,4病院で訓練時間が長いほど有意にFIM利得が大きいとの結果が得られた.〔結論〕一施設を超える普遍的な知見を得るには多施設データが必要だが,病院ごとの訓練時間,患者年齢,リハビリテーションの質などのバイアスを考慮した分析が必要である.それらを考慮した多変量解析によって,5病院のうち4病院において,訓練時間が長いほどFIM利得が有意に高いことが明らかになった.
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