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特集 リハビリテーション医療におけるソーシャルワーク
小児専門病院におけるリハビリテーションとソーシャルワーク
Social work of rehabilitation in pediatric hospital
佐藤 杏
1
Kyo Sato
1
1国立成育医療研究センター
1National Center for Child Health and Development
キーワード:
成長・発達
,
子どもと家族への支援
,
多機関連携
Keyword:
成長・発達
,
子どもと家族への支援
,
多機関連携
pp.1191-1196
発行日 2019年12月10日
Published Date 2019/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201821
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はじめに
日本の新生児医療は世界で最も安全といわれ,2018年2月に発表された国際連合児童基金(ユニセフ)の報告書によると,日本の新生児死亡率は1,000人あたり0.9人と世界各国のなかで最も低い水準である.また,小児医療はこの数十年で大幅に治療率を上げており,従来は救命困難だった子どもたちも救命できるようになり,高度医療依存児・長期入院児の増加など新たな課題が指摘されている.小児がんなどの後天的疾患や不慮の事故などによる外傷に対しても,集中治療の後,長い生存が見込まれるようになった.
救命された子どもたちはほかの子どもたちと同じようにその子のペースで成長・発達を遂げていく.子どもたちの発育を伸ばすのは専門家だけでなく,生活をともにする家族のかかわりそのものであり,小児医療においては,子どもへの支援と同じく家族への支援も重要と考えられている.小児医療におけるソーシャルワークは,Patient- and Family-Centered Careの概念を実践化していくことであり,子どもの成長・発達を家族とともに喜び,ともに地域社会のなかで生活していくことを支える一助となりたいと思っている.
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