Japanese
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特集 リハビリテーション医療におけるソーシャルワーク
緩和ケアとソーシャルワーク
Palliative care and social work
宮田 佳代子
1
Kayoko Miyata
1
1国立がん研究センター中央病院地域医療連携部相談支援室
1Consultation Counseling and Support Service Center, National Cancer Center Hospital
キーワード:
がん
,
緩和ケア
,
意思決定支援
Keyword:
がん
,
緩和ケア
,
意思決定支援
pp.1183-1189
発行日 2019年12月10日
Published Date 2019/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201820
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はじめに
がんの療養は,医療の進歩に伴い長期化,慢性化しており,2018(平成30)年3月に策定された第3期がん対策推進基本計画のなかでも全体目標の一つとして「尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築〜がんになっても自分らしく生きることのできる地域共生社会を実現する〜」が掲げられている(図1)1).また,その全体目標の「がんとの共生」のなかでは分野別施策として,① がんと診断された時からの緩和ケア,② 相談支援,情報提供,③ 社会連携に基づくがん対策・がん患者支援,④ がん患者等の就労を含めた社会的な問題,⑤ ライフステージに応じたがん対策,の5つが掲げられている.
がん罹患による患者・家族の人生や生活に与える影響は多大であり,初診時から終診時に至るまであらゆる段階でさまざまな問題や悩みが生じる(図2)2).そのなかでもわれわれ医療ソーシャルワーカーは社会的な問題に対して福祉の視点から支援をする専門職として位置づけられている.がん患者は,患者である前にさまざまな役割をもって社会生活を営む生活者である.その元々の生活や役割,人生においてがん罹患や治療との両立がどのように影響するか,患者のみならず家族などの周りの関係者にどう影響し,それがその人らにとってどういう意味をもつか,という観点から人々を捉えていくことを専門としている(図3)3).
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