特集 見逃してはいけない!アルコール関連問題
【総論】
アルコール関連問題への対応のための多機関・多職種の連携
猪野 亜朗
1
,
吉本 尚
2
1かすみがうらクリニック
2三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座家庭医療学分野
キーワード:
アルコール関連問題
,
アルコール依存症
,
危険な飲酒
,
多機関連携
,
SBIRT
Keyword:
アルコール関連問題
,
アルコール依存症
,
危険な飲酒
,
多機関連携
,
SBIRT
pp.935-938
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103024
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はじめに
多くの医師は,「身体の健康障害」というアルコール関連問題(J1)に関与することによって,かなり早期にさまざまなアルコール関連問題〔アルコール依存症(J2),うつ病,家族の危機,DV(ドメスティック・バイオレンス),虐待,飲酒運転等〕を発見し,介入できる位置にいる.
このように,「身体の健康障害」という切り口で関わる医師が,その背後に隠れている大きな複数のアルコール関連問題を予見した上で,不適切な飲酒(J3)1)をスクリーニングして,介入し,必要に応じて専門治療へ紹介する方法が,SBIRT2, 3)(エスバート:Screening, Brief Intervention, Referral to Treatment)である.
SBIRTはアルコール依存症やうつ病の予防や早期治療に寄与できるだけでなく,企業の生産性の向上などにも寄与できるし,なによりも家族関係の悪化を防止し,その人自身や家族の人生の悪化を食い止めることができる.
SBIRTが成功するには,医師はSBIRTの知識やスキルを習得するだけでなく,アルコール関連問題の特徴を知るとともに,アルコール関連問題に関与する機関や職種の間の連携が必要である.
本稿ではアルコール関連問題の種類と特徴,機関や職種の間の「連携」に絞って述べたい.SBIRTの詳細は別稿に譲る.
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