Japanese
English
特集 ICUリハビリテーションにおける多職種連携
筋力低下
Intensive care unit-acquired weakness(ICU-AW)and post-intensive care syndrome(PICS)
蜂須賀 明子
1
,
佐伯 覚
1
Akiko Hachisuka
1
,
Satoru Saeki
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
ICU-AW
,
PICS
,
ABCDEFGHバンドル
,
早期リハビリテーション
,
電気刺激療法
Keyword:
ICU-AW
,
PICS
,
ABCDEFGHバンドル
,
早期リハビリテーション
,
電気刺激療法
pp.635-641
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201686
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はじめに
近年,敗血症など重症疾患(critical illness)による治療で集中治療室(intensive care unit;ICU)へ入室後,急性に左右対称性の四肢筋力低下を呈する症候群がICU acquired weakness(ICU-AW)として知られるようになった1).また,ICU在室中あるいはICU退出後,さらには退院後に生じる身体機能・認知機能・精神機能の障害について,集中治療後症候群(post-intensive care syndrome;PICS)という概念が提唱されるようになった2).
ICU患者の筋力低下が注目される背景に,近年の医療の進歩があり,例えばICUにおける重症敗血症性ショックの死亡率は,2001年49.2%3)から2015年24.5%4)へ大きく改善した.そのためICUにおける治療ゴールは,救命のみでなく,生存後の日常生活動作(activities of daily living;ADL)や生活の質(quality of life;QOL),長期予後の改善へ変化している.ICU-AWやPICSによる筋力低下は,ICU患者のADL,QOLを低下させることから,適切な診断や治療,予防が重要である.
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