Japanese
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特集 救命救急におけるリハビリテーション
肺理学療法と廃用症候群へのアプローチ
Approach to Pulmonary Physical Therapy and Disuse Syndrome
堀部 達也
1
Tatsuya Horibe
1
1東京女子医科大学病院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation, Tokyo Women's Medical University
キーワード:
ICU-AW
,
PICS
,
体位理学療法
,
腹臥位
,
Early Mobilization
Keyword:
ICU-AW
,
PICS
,
体位理学療法
,
腹臥位
,
Early Mobilization
pp.605-615
発行日 2017年6月10日
Published Date 2017/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200986
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はじめに
「重症疾患から生き残ることはICU-AWなどに関連する身体機能障害からの,回復の困難な旅の始まりです」1).この言葉は臨床にいるわれわれにとって非常に印象的な言葉である.
過去20年,敗血症などの重症疾患により集中治療室(intensive care unit;ICU)で人工呼吸器管理を行った患者の生存率は大幅に改善している.それまで世界中の研究者は28日,90日の死亡率,ICU滞在期間,入院期間などの短期のアウトカムを調査してきた.しかし死亡率の低下とともに,近年ではICU退室後6か月〜5年間の身体機能や生活の質(quality of life;QOL)などの長期のアウトカムが評価されるように変化している.その理由として敗血症などの重症疾患の生存した患者に集中治療室獲得性筋力低下(intensive care unit-acquired weakness;ICU-AW)や集中治療後症候群(post intensive care syndrome;PICS)と呼ばれる患者の退院後の生活,そしてQOLなどを長期的に脅かす現象が明らかになったことが挙げられる.
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