Japanese
English
症例報告
回復期リハビリテーション医療における「生活期準備プログラム」の試み—QOLが著明に改善した後期高齢者大腿骨近位部骨折の1例
A life phase preparation program in convalescent rehabilitation medicine: a case of marked QOL improvement in an old-old man with proximal femoral fracture
本田 哲三
1
,
吉本 栞
1
,
西尾 大祐
1
,
福井 雄樹
1
,
森 真理子
2
,
多宝院 和也
3
,
佐藤 容子
4
,
高橋 秀寿
5
Tetsumi Honda
1
,
Shiori Yoshimoto
1
,
Daisuke Nishio
1
,
Yuki Fukui
1
,
Mariko Mori
2
,
Kazuya Tahoin
3
,
Yoko Sato
4
,
Hidetoshi Takahashi
5
1飯能靖和病院リハビリテーションセンター
2飯能靖和病院回復期リハビリテーション病棟
3飯能靖和病院地域相談室
4飯能靖和病院栄養科
5埼玉医科大学国際医療センターリハビリテーション科
1Rehabilitation Center, Hanno Seiwa Hospital
2Convalescent Rehabilitation Ward, Hanno Seiwa Hospital
3Regional Collaboration Room, Hanno Seiwa Hospital
4Department of Nutrition, Hanno Seiwa Hospital
5Department of Rehabilitation Medicine, Saitama International Medical Center, Saitama Medical University
キーワード:
大腿骨近位部骨折
,
回復期リハビリテーション
,
生活期
,
QOL
,
生きがい
Keyword:
大腿骨近位部骨折
,
回復期リハビリテーション
,
生活期
,
QOL
,
生きがい
pp.575-579
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201667
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要旨 【背景】大腿骨近位部骨折のリハビリテーションでは集学的アプローチが有効とされる.筆者らは生活期における生きがい活動の定着と家族内の役割の獲得を目指した4週間のプログラムを作成し,1症例に実施した.【対象・方法】症例は87歳の男性で,大腿骨人工骨頭置換術後に飯能靖和病院(以下,当院)回復期リハビリテーション病棟に入院した.プログラムに従って,主治医,理学療法士,作業療法士,医療ソーシャルワーカー,看護師および管理栄養士が初期評価を行い,初回カンファレンスで「野菜づくり」を「生きがい活動」に選定した.その後自宅を訪問し作業環境を整備するとともに,院内で身体機能訓練および野菜の調理法指導を実施した.さらに家族へ協力を依頼し活動の意欲づけに努めた.【結果】栄養状態および運動機能の改善に加えて生活の質(quality of life;QOL)の向上が認められ,退院4か月後もその傾向が維持された.【結語】本プログラムは受傷前の潜在的な廃用が想定される症例に有効な可能性がある.
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