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特集 身体障害者の移動手段
法制面からみた身体障害者の移動手段
Transportation for disabled people from legal standpoint
松原 淳
1
Atsushi Matsubara
1
1交通エコロジー・モビリティ財団
1Foundation for Promoting Personal Mobility and Ecological Transportation
キーワード:
交通バリアフリー法
,
バリアフリー法
,
障害者権利条約
,
障害者差別解消法
Keyword:
交通バリアフリー法
,
バリアフリー法
,
障害者権利条約
,
障害者差別解消法
pp.703-708
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201383
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障害者にとっての移動までの歴史(表)
わが国に鉄道が走りはじめたのが1929年のこと.鉄道の運賃割引制度は1950年の国鉄による身体障害者割引制度(障害者に対する運賃割引方)がはじまりといわれていて,その対象は視力障害者,肢切断・肢体不自由者,神経中枢障害者で,外見で障害がわかる人々を対象としてきた歴史がある.前年の「身体障害者福祉法」の制定が原動力となっている.戦後の混乱期になぜ?と思うだろうが戦争により障害を負ってしまった人を救う,いわば戦傷病者を主な対象としたものがはじまりといわれている.
その後1952年に「身体障害者旅客運賃割引規程」を国鉄が正式に公示され,1952年にはバスの身体障害者割引制度がはじまった.運転免許では1960年の道路交通法改正により身体障害者の運転免許取得が認められているが,交通政策としてはまだまだ不十分であった.そのため,心身障害者対策基本法成立(1970年)の社会情勢があるなかで,1976年には川崎市で路線バスの「車椅子による乗車のお断り」を端にした障害者のバス籠城行動が起こり,各地に障害者運動が飛び火したものの,全体としては大きな前進なく月日が経過した.
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