Japanese
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特集 身体障害者の移動手段
身体障害者の移動手段としての車椅子の考え方
Wheelchair thinking as a means of mobility and transportation in the physically disabled
松尾 清美
1
Kiyomi Matsuo
1
1佐賀大学医学部地域医療科学教育研究センター福祉健康科学部門
1Section of Physical and Behavioral Support System, Center for Comprehensive Community Medicine
キーワード:
生活スタイル
,
車椅子の3機能
,
手動車椅子
,
介助用車椅子
,
電動車椅子
Keyword:
生活スタイル
,
車椅子の3機能
,
手動車椅子
,
介助用車椅子
,
電動車椅子
pp.709-719
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201384
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はじめに
肢体不自由者にとっての旅行や仕事,就学,その他の社会参加を支援する移動手段として,多種多様な車椅子が開発され市販されている.車椅子を駆動方法で分けると,①本人が上肢で駆動する手動車椅子,②介助者が押して移動する介助用車椅子,③電動で移動する電動車椅子,シニアカーとかセニアカーとよばれる電動三・四輪車,そして近年開発が進んでいる④電動補助装置を手動車椅子に装着して移動する改良型ハンドル型車椅子などの種類がある.そして各種類には,多数のメーカーがさまざまなデザインや機能を装備して,多様な車椅子を販売しており,本人の生活方法やライフスタイル,身体機能,生活環境などに合わせて選択できるようになってきた.総合支援法や介護保険法などの公的支援を使って入手する場合は,さまざまな制限もあるが,選択できる車椅子が増えてきている.
また近年では,車輪のホイールの中にモーターを組み込んだ車輪(モーターインホイール)を自転車や自動二輪車,自動車,そして車椅子にも装備できるようになってきたことやバランス機能などを向上させるジャイロやカメラ,センサーそしてGPSでのナビゲーション機能などの発達によって,移動補助機具としての車椅子の発展と社会参加する人や社会貢献する人を増大させていくと思われる.
このような状況のなかで,肢体不自由者が車椅子で屋外を移動するためには,どのような車椅子が求められているか,また,社会環境には何が求められるのかについて記述する.
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