巻頭言
障害児の移動手段確保と教育保証
門司 順一
1
1国立療養所西札幌病院理学診療科
pp.681
発行日 1991年7月10日
Published Date 1991/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106857
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現在私が勤務している病院は国立療養所であり,そこの最大の特色は「病弱養護学校」が併設されていることである.障害を持った児童の全員就学が制度上実現した一方,種々の矛盾が我々の関係する養護学校にも生じてきている.
従来,入院の多数を占めていたペルテス病などの整形外科疾患が減少する一方,二分脊椎などのマヒ疾患や筋神経疾患による障害を持った児童の入院比率が上昇してきている.彼らは家庭内の移動については種々の方法で自立している場合が少なくないが,通学の手段や学校内での移動,特に階段を利用しての移動に問題があり,当院に入院し併設養護学校に通学しているものが少なくない.経済的裏付けと両親などの介護者の時間的条件の許されるものは通学可能となっている.
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