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意見と声
回復期リハビリテーション病棟におけるADLアウトカム評価の限界
Limit of ADL outcome assessment in Kaifukuki rehabilitation wards
徳永 誠
1
Makoto Tokunaga
1
1熊本機能病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Kumamoto Kinoh Hospital
キーワード:
アウトカム評価
,
ADL
,
実績指数
Keyword:
アウトカム評価
,
ADL
,
実績指数
pp.479
発行日 2018年5月10日
Published Date 2018/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201314
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- Abstract 文献概要
回復期リハビリテーション病棟では,診療報酬において質の評価が行われている.2008年度に日常生活機能評価がプロセスとアウトカムの指標として導入され,数年ごとに基準が厳しくなった.その結果,重症患者の割合・重症患者の改善度・在宅復帰率という3つの指標に注意が必要となり,日常生活機能評価の採点の信頼性に疑問も生じている.日常生活機能評価が10点の患者数と9点の患者数の比は,1以下(診療報酬導入前)だったのが,2(2010年),3.3(2013年),3.9(2016年)に上昇した.
2016年度には,Functional Independence Measure(FIM)を用いた実績指数がアウトカム指標として導入された.実績指数は,FIM改善度が大きく在院日数が短いほど高くなるもので,27以上の数値が求められている.これは,脳血管系と整形外科系の疾患が混在する回復期リハビリテーション病棟におけるアウトカム指標としてそれなりの妥当性を有するとされる.入院時運動FIM,認知FIM,年齢による除外が可能であり,どのような患者を除外すべきかに注目が集まっている.実績指数の導入後に,全国では平均FIM改善度が17.0点(2015年)から20.3点(2016年)に上昇し,熊本県ではFIM改善度に有意な変化はなかったものの,脳卒中の平均在院日数が,92.7日から81.1日に有意に短縮した.
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