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特集 筋力トレーニング—エビデンス&プラクティス
心疾患患者
Resistance training in patients with heart disease
山本 壱弥
1
Kazuya Yamamoto
1
1国立循環器病研究センター心血管リハビリテーション科
1Department of Cardiovascular Rehabilitation, National Cerebral and Cardiovascular Center
キーワード:
レジスタンストレーニング
,
心疾患
,
骨格筋機能
Keyword:
レジスタンストレーニング
,
心疾患
,
骨格筋機能
pp.435-440
発行日 2018年5月10日
Published Date 2018/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201304
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はじめに
心疾患患者における骨格筋機能は運動能力に大きな影響を及ぼすだけでなく,患者の日常生活動作(activities of daily living;ADL)や生活の質(quality of life;QOL),さらには生命予後にも直結している.心疾患患者の末梢骨格筋は,表11)に示すような形態学的・組織学的な異常が認められている.心疾患患者の骨格筋異常は以前から指摘されていたが,心疾患患者に対する筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)は長期間,専門家の間では収縮期血圧や心拍数が上昇し,不整脈や心筋虚血を誘発するなどの理由から心疾患患者には好ましくないとされていた(表2)2).
しかし,1990年以降から心疾患患者に対するレジスタンストレーニングの安全性および有効性についての検証が進み,現在ではレジスタンストレーニングの絶対禁忌,相対禁忌も定義されている(表3)3).このような理由から,レジスタンストレーニングは有酸素運動とならび心疾患患者に対する有効性の確立された運動様式として,ガイドライン4)で推奨されている.
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