Close-up 治療と仕事の両立支援
心疾患患者における治療と仕事の両立支援と課題
久原 聡志
1
,
伊藤 英明
2
,
佐伯 覚
2
Satoshi KUHARA
1
,
Hideaki ITO
2
,
Satoru SAEKI
2
1産業医科大学病院リハビリテーション部
2産業医科大学医学部リハビリテーション医学講座
キーワード:
心疾患
,
安全配慮義務
,
治療と仕事の両立支援
,
療養・就労両立支援指導料
Keyword:
心疾患
,
安全配慮義務
,
治療と仕事の両立支援
,
療養・就労両立支援指導料
pp.706-710
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590060706
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心疾患を患った労働者の復職状況—現状と課題
現在,労働者の高齢化や生活習慣病罹患率の増加に伴い,心疾患を患った労働者も年々増加傾向にある1).本邦における労働者の心疾患発症後の復職状況は75%〜92%2〜4),海外での報告では56%程度とされており5〜11),比較的高い復職率を示している.しかし,復職者のなかには「病気が悪化するかもしれないという不安がある」,「精神的ストレスがある」などの制限を感じていたという報告や4),離職者の多くは医師の勧めではなく,自己判断で離職していたという報告があり2),復職に際しての医療側の支援が十分に行えていない現状が指摘されている.

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