Japanese
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特集 筋力トレーニング—エビデンス&プラクティス
慢性呼吸器疾患患者
Muscle training for patients with chronic respiratory disease
髻谷 満
1
,
千住 秀明
1
Mitsuru Tabusadani
1
,
Hideaki Senjyu
1
1公益財団法人結核予防会複十字病院呼吸ケアリハビリセンターリハビリテーション科
1Fukujuji Hospital, Japan Anti-Tuberculosis Association, Respiratory Care and Rehabilitation Center, Rehabilitation Division
キーワード:
慢性閉塞性肺疾患
,
運動療法
Keyword:
慢性閉塞性肺疾患
,
運動療法
pp.441-446
発行日 2018年5月10日
Published Date 2018/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201306
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はじめに
慢性呼吸器疾患,特に慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)では,閉塞性換気障害の進行とともに,労作時の息切れが顕著となる.息切れは苦痛な症状であるため,患者はそれを避けることで生活習慣が身体活動を抑制する傾向にある.その結果,身体非活動性(physical inactivity;PI)の状態になり廃用に陥る.廃用に陥った身体では身体活動が苦痛となり,ますますPIが進行することとなる.このように,息切れによって廃用とPIは悪循環となり,状態を悪化させていく大きな要因となる.特に,COPDの管理の有症状期にはこのような悪循環を防ぐことが必要となる.適切な薬物療法に加えて,身体活動性を維持するリハビリテーション的なアプローチが必須となる.
呼吸リハビリテーションは,COPDの領域のエビデンスの蓄積とともに確立されてきた.慢性呼吸器疾患における呼吸リハビリテーションは必須の治療と位置づけられており,COPDはそのゴールドスタンダードとなる疾患である1).
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