Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「校庭に東風吹いて」—場面緘黙症児に対する担任教師の取り組みを描く
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.869
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201071
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「校庭に東風吹いて」(監督/金田敬)は,原作(柴垣文子の同名小説:初版2014)の時代設定(1990年)を現代に移し,特別支援教育時代以降,「チーム学校」前史という,端境期の学校と教師の姿を描いている.
「チーム学校」は,中教審で2014年から検討が始まり,2015年に「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策」として答申された.これからの学校は,スクールカウンセラー(school counsellor;SC)やスクールソーシャルワーカー(school social worker;SSW)などの専門スタッフとの協働,地域の教育・福祉のリソースとの連携を図ることになる.2007年スタートの特別支援教育によって,通常の学級で学ぶ発達障害のある子供たちを支援する特別支援教育支援員が配置され,2017年には,中・高に「部活動指導員」の制度が定められた.教師とさまざまなスタッフとの協働体としての「チーム学校」の動きは,一層加速している.
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