特集 学生とともに学ぶ医療事故防止
【教師と学生の共同企画:パネルディスカッション】
「医療事故は何故起こるのか,どうしたら防げるのか」を実施して
島根県立看護短期大学の授業
教師の取り組み
福澤 陽一郎
1
1島根県立看護短期大学看護学科
pp.764-768
発行日 2001年10月25日
Published Date 2001/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902589
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
授業における位置づけ
筆者は島根県立看護短期大学において,教養・基礎教育の中で,「保健医療制度」(および「公衆衛生学」)を担当しています.今回,その授業の中で行ったパネルディスカッション(以下,パネル)について述べます.今回のテーマについて述べる前に,保健医療制度の講義の進め方の特徴を紹介します.われわれは「学生の教育への主体的参加と大学の周辺のいろいろな社会的資源にふれるきっかけをつくり,学生相互にいきいきと学べる」ことを目的にスチューデント・レクチャー方式を採用しており,その1つの方法としてパネルがあります1)(図1).
保健医療制度は,看護学科2年生が対象です.パネルは,学生4~5人で自主的にグループをつくり,興味ある何らかのテーマに取り組みます.過去のパネルのテーマの主なものを紹介すると,「QOT(Quality of Town)―全ての人に住み良い街を」(1996年),「在宅ケアを支える鍵は―患者と家族の求める地域づくり」(1997年),「要介護の高齢者をとりまくこれからの社会的資源とは?―介護保険のスタートを前にして」(1999年)などがあり,2000年には,本稿のテーマである「医療事故は何故起こるのか,どうしたら防げるのか―看護の現場を通して考える」が行われました.このパネルは,私にとっても極めて印象深い取り組みでした.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.