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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅵ.発達障害,心身症,精神疾患
6.選択性緘黙(場面緘黙)
Selective mutism
金原 洋治
1
KANEHARA Yoji
1
1かねはら小児科
pp.719-722
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000639
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1 基本病因,発症機序
家では普通にしゃべれるのに,園や学校などではしゃべれないことを特徴とする疾患である。発症要因は解明されてはいないが,遺伝要因である気質をベースに,入園・入学などの環境負荷,固定要因が絡み合って発症すると考えられている。不安症群/不安障害群に分類される1)。家の外で感情や行動を抑制する気質(抑制的気質)2)がある子が,発話を期待される園や学校への入園や入学を機に,高まった不安を解消するため防衛的に緘黙になる3, 4)。選択性緘黙は,しゃべれないことを自分で選んでいると誤解されやすいため,本稿では場面緘黙を使用する。
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