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入門講座 物理療法の基本と実際・1【新連載】
温熱療法・寒冷療法
Therapeutic Heat and Cold
水落 和也
1
Kazuya Mizuochi
1
1神奈川県立がんセンターリハビリテーション科
1Rehabilitation Service, Kanagawa Cancer Center
キーワード:
ホットパック
,
パラフィン浴
,
超音波療法
,
冷気流療法
Keyword:
ホットパック
,
パラフィン浴
,
超音波療法
,
冷気流療法
pp.723-729
発行日 2017年7月10日
Published Date 2017/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201023
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リハビリテーション医学における物理療法の現状
1994年,日本リハビリテーション医学会リハビリテーション機器委員会物理療法機器検討小委員会は,物理療法の教育,臨床での利用についてアンケート調査を中心に情報収集と問題点の整理を行い,報告している1).それによると,物理療法とは,「皮膚の表面から物理的刺激を用いて行う治療であり,温熱(ジアテルミー,寒冷を含む),電気,光線,機械的刺激が用いられる.水治療は温熱と機械的刺激(浮力,静水圧,粘性抵抗,振動)の複合刺激と考えることができる.以前は放射線も含まれていたが,現在では分離されている」と定義している.また,「リハビリテーション医療では理学療法に分類され,疼痛の緩解,循環の改善,障害の予防と改善を目的に用いられている.癌に対するハイパーサーミア(温熱療法),新生児溶血性疾患や乾癬に対する光線療法は現在の理学療法の対象には含まれない」と,その範囲を規定している.
物理療法の問題点としては,医学部学生への教育は全国の大学病院,その附属施設において講義が53%,実習が64%で行われているものの,講義時間の平均は1.2時間,実習は機器の説明か見学のみであり,理学療法士教育現場においては,カリキュラムにおける物理療法時間数の削減,実習の場における体験の機会減少と,医学教育における教育の不足が指摘されていた.
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