Japanese
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特集 リハビリテーション医学の基礎―骨・関節系
温熱療法と軟骨の再生―温熱療法は関節軟骨の再生に有効か
The Effect of Heat Therapy on Regeneration of the Articular Cartilage.
北條 達也
1
,
久保 俊一
1
,
大塚 悟朗
1
,
平澤 泰介
1
Tatsuya Hojo
1
,
Toshikazu Kubo
1
,
Goro Otsuka
1
,
Yasusuke Hirasawa
1
1京都府立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto Prefectural University of Medicine
キーワード:
温熱刺激
,
軟骨細胞
,
物理療法
Keyword:
温熱刺激
,
軟骨細胞
,
物理療法
pp.311-314
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108347
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はじめに
温熱療法は変形性関節症などの慢性の関節疾患に対し,安全で有効な治療法として広く利用されている.その鎮痛効果の機序として,温熱刺激によるC-fiberからの痛覚刺激の減弱効果や循環改善による筋弛緩作用・除痛物質の代謝亢進などが挙げられている1).
しかし,関節疾患の根本的な治療には損傷・変性した軟骨組織の再生・修復が必要であり,軟骨基質を構成するコラーゲンやプロテオグリカンの再生が重要である.この問題に対して種々の基礎的研究がなされているが,温熱刺激が軟骨組織の再生・修復にどのような影響を与えているのかはあまり解明されていない.
われわれは軟骨細胞を用いた培養系において温熱刺激が軟骨細胞の活性あるいは代謝にどのような影響を及ぼすかを検索してきた2).本稿ではその結果を踏まえて,温熱刺激が単なる鎮痛効果だけにとどまらず,軟骨組織に直接的な治療効果を及ぼしているか否かについて検討する.
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