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実践講座 知っておきたい褥瘡治療・4
ドレッシング材を用いた創傷管理
Management of the wound environment with dressings
貝谷 敏子
1
,
神島 滋子
1
Toshiko Kaitani
1
,
Shigeko Kamishima
1
1札幌市立大学看護学部
1School of Nursing, Sapporo City University
キーワード:
褥瘡
,
生活の質
,
ドレッシング材
Keyword:
褥瘡
,
生活の質
,
ドレッシング材
pp.694-700
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200680
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はじめに
湿潤環境理論の普及以降,創傷管理の分野は飛躍的な発展をしてきた.これまでは治癒を主たるアウトカムとして,「治癒させること」に焦点があてられてきた.しかし,2002年に患者側からみたアウトカムの重要性がEuropean Wound Management Association(EWMA)から意見書として出され,創傷患者の生活の質(quality of life;QOL)の重要性が認識され始めた1).褥瘡の治癒を目指すことに変わりはないが,患者のQOLを考慮した治療方法の選択が求められているといえる.
褥瘡は療養環境に左右される病態であり,総合的な生活支援が必要である.看護師は,局所の傷だけでなく,療養環境をも含めて総合的に患者をアセスメントして,褥瘡の管理方法を選択してきた.さらに,看護師はスキントラブルを予防するという視点でケアを実践している.その結果,患者のQOLに配慮して局所管理にドレッシング材を多く活用してきた.
患者のQOL向上を重視した考えは,リハビリテーション専門職の方々と共通している認識である.本稿では,リハビリテーションの関係者と共有したいドレッシング材の基本的な知識を紹介する.
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