巻頭言
予防に勝る治療なし—治療継続
橋本 洋一郎
1
1熊本市民病院神経内科・リハビリテーション科・地域医療連携部
pp.369
発行日 2016年5月10日
Published Date 2016/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200582
- 有料閲覧
- 文献概要
超高齢社会となり健康寿命の延伸が大きな課題となっています.わが国では男性が死亡する前の約10年間,女性が約13年間,日常生活に支障を持って生活していると言われています.要介護度5の原因疾患は,① 脳卒中,② 認知症,③ 高齢による衰弱(フレイル),④ パーキンソン病,⑤ 骨折であり,これらに対する予防,治療,リハビリテーション,介護が必要です.
私は8つの認定医・専門医を持って,神経内科医として急性期脳梗塞の診療を中心に頭痛や神経難病などの診療を30年以上にわたって行い,リハビリテーションや医療連携に強くかかわってきました.そのようななかで「予防に勝る治療なし」と考えています.18年前にドイツのハイデルベルグ大学に留学したときに,わが国では,① 感染対策,② 栄養管理,③ 早期離床・早期リハビリテーションが不十分であると実感して帰国しました.現在は,この3つはチーム医療によって飛躍的に改善しています.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.