Japanese
English
特集 脳梗塞急性期治療の進歩
rt-PA静注療法
Intravenous thrombolysis for acute stroke
塩澤 真之
1
,
豊田 一則
1
Masayuki Shiozawa
1
,
Kazunori Toyoda
1
1国立循環器病研究センター脳血管内科
1Department of Cerebrovascular Medicine, National Cerebral and Cardiovascular Center
キーワード:
急性期脳梗塞
,
静注血栓溶解療法
Keyword:
急性期脳梗塞
,
静注血栓溶解療法
pp.191-196
発行日 2016年3月10日
Published Date 2016/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200526
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はじめに
遺伝子組換え型組織プラスミノーゲン活性化因子(recombinant tissue plasminogen activator;rt-PA)であるアルテプラーゼの静注血栓溶解療法は,脳梗塞急性期治療において最もエビデンスレベルが高い治療法である.2015年6月に改訂された脳卒中ガイドラインでもグレードAで推奨されている1).1996年に米国で発症3時間以内の脳梗塞患者に対するアルテプラーゼによるrt-PA静注療法を認可されて以後世界的に普及し,わが国でも2005年10月に認可された.その後,rt-PA静注療法の適応が発症4.5時間以内まで拡大された.わが国でのrt-PA静注療法は日本脳卒中学会が示す適正治療指針に基づき施行されている.治療施行例は2012年現在で急性期脳梗塞例全体の約5〜6%2)であるが,年々増加傾向にある.
本稿では,これまでのエビデンスに基づいたrt-PA療法の基本的知識を紹介するとともに,今後の展望についても述べる.
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