特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る
ディベート・セクション 10番勝負
急性再開通治療:脳主幹動脈閉塞例に対するdirect MT
Pro 機械的血栓回収療法の適応があればrt-PA前投与は不要である
鈴木 健太郎
1
1日本医科大学付属病院脳神経内科
キーワード:
脳卒中
,
急性期脳梗塞
,
主幹動脈閉塞
,
機械的血栓回収療法
,
rt-PA静注療法
Keyword:
脳卒中
,
急性期脳梗塞
,
主幹動脈閉塞
,
機械的血栓回収療法
,
rt-PA静注療法
pp.460-462
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228782
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
急性期脳梗塞患者の転帰は,2005年に保険承認されたアルテプラーゼを用いたrt-PA静注療法と,2015年に有効性が報告された機械的血栓回収療法1)により大きく改善した.『脳卒中治療ガイドライン2021』では,主幹動脈閉塞を有する急性期脳梗塞に対し,rt-PA静注療法を含む内科的治療に追加して,機械的血栓回収療法を行うことが推奨度Aとされている2).
その一方で,rt-PA静注療法と機械的血栓回収療法の併用がよいのか,それともrt-PA静注療法をスキップした機械的血栓回収療法単独療法がよいのか,という議論は今までされていない.なぜ併用療法が当たり前とされているのか,それはHighly Effective Reperfusion evaluated in Multiple Endovascular Stroke trials(HERMES)collaborationで報告された初期の機械的血栓回収療法の有効性を示す試験が,すべて内科的治療に追加して行われたからにほかならない.この疑問を解明すべく,本邦でSKIP研究を行った.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.