Japanese
English
特集 脳卒中急性期治療の最前線
脳梗塞の治療
rt-PA静注以外の薬物療法
The treatment of cerebral infarction in the acure stage other than rt-PA.
舩津 世絵良
1
,
湧川 佳幸
1
,
岡田 靖
1,2
Seira Funatsu
1
,
Yoshiyuki Wakugawa
1
,
Yasushi Okada
1,2
1国立病院機構九州医療センター脳血管・神経内科
2国立病院機構九州医療センター臨床研究センター
1Cerebrovascular Unit, Kyusyu Medical Center
2Clinical Research Institute, Kyusyu Medical Center
キーワード:
脳梗塞急性期治療
,
抗血栓療法
Keyword:
脳梗塞急性期治療
,
抗血栓療法
pp.1095-1098
発行日 2013年12月10日
Published Date 2013/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110328
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はじめに
わが国において,脳卒中は死因の第4位,介護性疾患の主座を占め,高齢者人口が著明に増加し,脳卒中再発例を含み,患者数はさらに増えつつある.脳梗塞病型も以前はラクナ梗塞が大部分を占めていたが,生活習慣・食習慣の変化や高齢化社会を迎え,アテローム硬化性疾患の増加と高齢者に心房細動が多いことから心原性脳塞栓症が増加してきた.アテローム血栓性脳梗塞は比較的大きな脳動脈および頸部の動脈硬化が原因となって発症する脳梗塞で,適切な治療が行われなければ,軽症であっても階段状に増悪を示すことが多い.また,軽症でも脳梗塞を一度発症すると,何らかの後遺症を残すことも多く,その障害により社会活動を断念するなど,社会的生命を断たれるケースも少なくない.重症度にかかわらず,早期診断・早期治療が重要であり,症例を担当する各職種の医療チームの迅速な対応が必要とされる1).本稿では,rt-PA静注による血栓溶解療法以外の急性期脳梗塞の薬物治療について概説する.表1に各病型による脳梗塞急性期の治療の概要を示す.
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