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医療保険制度におけるリハビリテーション医療サービスの変遷
2000年,介護保険制度の施行と同時に医療保険の診療報酬制度に回復期リハビリテーション病棟が創設されたが,その後の10年間でリハビリテーション医療に係わる制度は大きく変化した(表1).
2000年からリハビリテーション医療サービスは,入院,外来,通所,訪問,短期入所,入所等へと多様化し,医療保険と介護保険の両方からサービス提供されるようになった.また,かつてのリハビリテーション医療サービスは,理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語聴覚士(ST)が,理学療法室(PT室),作業療法室(OT室),言語療法室(ST室)で実施するものと解釈される傾向があり,PT,OT,STと看護職等によるチームアプローチを強化する医療機関は必ずしも多くはなかった.ところが,2000年に回復期リハビリテーション病棟が創設されて以降,入院によるリハビリテーションは大きく変化した.病棟において看護職等が実施するactivities of daily living(ADL)向上へ向けたアプローチが重要と認識され,医師,看護職,PT,OT,ST,医療ソーシャルワーカー(MSW)等による病棟ごとのチームアプローチが急速に普及していったのである.2002年には,リハビリテーション医療は実用的な日常生活における諸活動の実現を目的とすると明記され,病棟ADL加算により病棟においてPT,OT,STが看護職と共に実施するADL向上目的のリハビリテーションが評価されることになった.また,リハビリテーション医療サービスは急性期―回復期―維持期(生活期)の3つのステージが各地域に整備され,お互いが連携し,その流れが円滑になることが求められたが,各ステージ間の連携は決して良好ではなかった.
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