Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「LUCY/ルーシー」—人類は進化するほど人間性を衰弱させるというパラドックスに見舞われる
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間学科
pp.783
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200337
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「LUCY/ルーシー」(監督/リュック・ベッソン)に依拠するなら,高い能力をもちながらも社会性の障害あり,とみなされる自閉症スペクトラムの人々は,人類が希求する進化の姿であると解釈できる.本作によれば,現代人は脳機能の10%程度しか使っていない.ちなみに他の動物は3〜5%,イルカは20%である.
ヒロインのルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は,台北のホテルでマフィアの闇取引に巻き込まれ,運び屋として腹部に袋詰めにされたCPH4と称する薬物を埋め込まれる.ところが,粗暴な連中に腹部を蹴られ,薬物が袋から漏れ出し,体内に飛散.これによって脳機能の使用率が上昇することになる.
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