巻頭言
リハビリテーションマインドを持った医師の育成
下堂薗 恵
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科リハビリテーション医学
pp.287
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200188
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リハビリテーション科ほど,医師としてやりがいがあって必要とされる診療科はないと思っているが,その思いとは裏腹にリハビリテーション科医を増やすことは,なかなか容易には行かない.実際,地域の医療機関から寄せられるリハビリテーション科医のニーズはつきることはなく,“今,最も必要とされる医師”であることは間違いない.先日も,ある院長先生から「治療方針の決定に際し,他診療科の医師と異なる視点をもち,セラピストからの相談に乗れるのはリハビリテーション科医しかないですから」と要請を受けた.リハビリテーション科医が高く評価されて大変うれしく,その期待にすぐに応えられるようになりたい.
過去を振り返って,自分がリハビリテーション科医を志したきっかけはいくつか挙げられる.まず母校の本学の医学教育にリハビリテーション科の講義や実習があったこと,さらに自分の学生時代に祖父母が障害者となり,まだまだリハビリテーションが行き届かない医療や介護の現場を目の当たりにしたこと,そしてこれから必ず増える障害者医療を充実させていかなければ,という将来性にあったように思う.
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