Japanese
English
特集 リハビリテーションにおけるロボット技術の最近の進歩
片麻痺患者の歩行練習支援ロボット「ウェルウォーク」の現在と未来
The Present and Future of the Wellwalk, a Walking Exercise Assist Robot for Hemiparetic Patients
平野 哲
1
,
大高 洋平
1
,
向野 雅彦
1
,
才藤 栄一
1
Satoshi HIRANO
1
,
Yohei OHTAKA
1
,
Masahiko MUKAINO
1
,
Eiichi SAITO
1
1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
1Department of Rehabilitation Medicine I, School of Medicine, Fujita Health University
キーワード:
運動学習
,
motor learning
,
難易度
,
difficulty level
,
フィードバック
,
feedback
Keyword:
運動学習
,
motor learning
,
難易度
,
difficulty level
,
フィードバック
,
feedback
pp.793-798
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201477
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
脳卒中は要介護の主要な原因であり,要介護者全体では認知症に次ぐ第2位(18.4%)を占める.要介護度が重いほど脳卒中の割合は増え,要介護5では第1位(30.8%)である6).少子高齢化により介護人材が不足する社会においては,患者の日常生活活動を向上させ,自立度を高める必要があり,リハビリテーション(以下,リハビリ)が果たすべき役割は大きい.
脳卒中患者のリハビリにおいて,歩行再獲得は重要な目標の1つである.脳卒中発症後の歩行能力が,その後の患者の人生に大きな影響を与えるからである.回復期リハビリ病棟退院時の移動能力が歩行自立の患者は約7割が在宅復帰するのに対し,車いす自立・車いす監視・全介助の患者の在宅復帰率は約3割であったとする報告がある4).また,歩行を獲得して退院することで,活動量が維持され,廃用予防につながることも考えられる.
高齢者医療費が保険財政を圧迫する状況においては,リハビリの高効率化も求められている.平成30年度診療報酬改定7)では,回復期リハビリ病棟入院料の評価体系に実績指数が組み込まれ,短期間に日常生活活動を大きく改善させることが診療報酬において評価されることとなった.歩行リハビリにおいても,より短期間で,より高い歩行自立度を獲得する工夫が必要であり,歩行練習支援ロボットの貢献が期待されている.
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.