Japanese
English
論説
脳卒中地域連携パスの調査報告に関する提言
Recommendations for the study on stroke liaison critical pathway.
徳永 誠
1
,
時里 香
1
,
桂 賢一
1
,
渡邊 進
1
,
三宮 克彦
2
,
黒土 達也
3
,
川野 眞一
4
,
箕田 修治
5
,
橋本 洋一郎
6
Makoto Tokunaga
1
,
Kaori Tokisato
1
,
Kenichi Katsura
1
,
Susumu Watanabe
1
,
Katsuhiko Sannomiya
2
,
Tatsuya Kurotsuchi
3
,
Shinichi Kawano
4
,
Shuji Mita
5
,
Yoichiro Hashimoto
6
1熊本機能病院リハビリテーション科
2熊本機能病院理学療法課
3御幸病院理学療法課
4御幸病院内科・リハビリテーション科
5にしくまもと病院神経内科
6熊本市民病院神経内科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kumamoto Kinoh Hospital
2Department of Physical Therapy, Kumamoto Kinoh Hospital
3Department of Physical Therapy, Miyuki Hospital
4Department of Rehabilitation and Internal Medicine, Miyuki Hospital
5Department of Neurology, Nishikumamoto Hospital
6Department of Neurology, Kumamoto City Hospital
キーワード:
脳卒中地域連携パス
,
調査
,
レビュー
,
有用性
Keyword:
脳卒中地域連携パス
,
調査
,
レビュー
,
有用性
pp.1087-1093
発行日 2014年11月10日
Published Date 2014/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200054
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要旨:脳卒中地域連携パスの先行研究の到達点と課題,今後の研究課題について論述する.2010年1月1日〜2013年11月6日に医学中央雑誌に掲載された脳卒中地域連携パスの調査報告のうち,除外項目を会議録,総説,地方誌や病院雑誌として絞り込んだ27報告についてレビューを行った.脳卒中地域連携パスというタイトルでも1病院における調査が10編あり,脳卒中地域連携パス参加病院数と調査対象病院数が明確な報告は7編,対象患者数が300例以上の報告は12編に過ぎなかった.地域の平均Functional Independence Measure(FIM)利得には,15.6〜49.8点という違いがあった.日常生活動作(activities of daily living;ADL)の利得・効率を病院間で比較するための重症度補正の手法には,入院時ADLで患者を限定する手法と標準重症度分布によりADL利得を補正する手法があった.脳卒中地域連携パスの有用性を証明した報告が5編あったが,脳卒中地域連携パス導入後のADL利得の変化は,悪化が1編,有意差なしが1編であった.日常生活機能評価表の信頼性に関する調査は3編であった.地域的に偏った報告が多数を占めたため,レビュー対象となった研究結果が,全国の実情とは異なる可能性がある.今後,脳卒中地域連携パスの有用性を示す研究と地域連携の向上につながる研究が望まれるだろう.
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