集中講座 臨床研究倫理ことはじめ・第11回
臨床研究と利益相反管理
神山 圭介
1
1慶應義塾大学医学部クリニカルリサーチセンター
キーワード:
conflict of interest(COI)
,
研究不正
,
被験者保護
,
研究の真正性
,
法令・諸規則等の遵守
Keyword:
conflict of interest(COI)
,
研究不正
,
被験者保護
,
研究の真正性
,
法令・諸規則等の遵守
pp.1095-1097
発行日 2014年11月10日
Published Date 2014/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200056
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利益相反と研究不正
昨今,医学系研究における利益相反(conflict of interest;COI)の問題は,医学・医療関係者に限らず,広く社会的な関心を集めています.その背景としては,真摯な学術研究の結果として信頼されていた成果が,実際には真実ではないと判明したことにより大きな失望を招いたこと,また同じように歪められた医学系研究が,他にもあるのではないかという不信感を一般の方々に抱かせたことが影響していると考えられます.
研究の結果を故意に操作したり,偽って公表することは,研究不正(research misconduct)の問題であり,いかなる分野の研究でも許容されないことは当然です.研究不正の動機は事例によってさまざまで,今回のテーマであるCOIが原因と推測される例も,確かに少なくありません.しかしながら臨床研究におけるCOIの適切な管理は,単に研究不正対策としてのみならず,臨床研究を安全確実に実施すること,医学や医療に貢献する有意義なものとすること,さらにその成果を社会に受け入れられる有益なものとすることのそれぞれにおいて,重要な意味をもっています.
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