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調査
回復期リハビリテーション病棟における大腿骨頸部骨折と脳卒中の臨床像の違い―脳卒中の地域連携クリティカルパス作成への基礎資料
Difference of clinical pictures between patients with femoral neck fracture and stroke in the convalescence rehabilitation ward:basic data for making the liaison critical pathway of stroke.
徳永 誠
1
,
重本 弘文
2
,
三宮 克彦
3
,
高橋 修一朗
2
,
中根 惟武
2
,
橋本 洋一郎
4
Makoto Tokunaga
1
,
Hirofumi Shigemoto
2
,
Katsuhiko Sannomiya
3
,
Shuichiro Takahashi
2
,
Nobutake Nakane
2
,
Yoichiro Hashimoto
4
1熊本機能病院リハビリテーション科
2熊本機能病院整形外科
3熊本機能病院理学療法科
4熊本市立熊本市民病院神経内科
1Department of Rehabilitation, Kumamoto Kinoh Hospital
2Department of Orthopedics, Kumamoto Kinoh Hospital
3Department of Physical Therapy, Kumamoto Kinoh Hospital
4Department of Neurology, Kumamoto City Hospital
キーワード:
大腿骨頸部骨折
,
脳卒中
,
回復期リハビリテーション病棟
,
地域連携クリティカルパス
Keyword:
大腿骨頸部骨折
,
脳卒中
,
回復期リハビリテーション病棟
,
地域連携クリティカルパス
pp.183-189
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101184
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要旨:〔目的〕回復期リハビリテーション病棟における大腿骨頸部骨折と脳卒中の臨床像の違いを明らかにする.〔対象・方法〕骨折群129例と脳卒中群231例を対象とし,年齢,性,入院前の生活場所,発症から入院までの日数,熊本機能病院(以下,当院)入院日数,術式,介護保険における認知症老人の日常生活自立度(認知症度),入棟時と退院時のFunctional Independence Measure(FIM),退院時における移動能力,転帰について検討した.〔結果〕骨折群は脳卒中群に比べ,女性が多く,高齢で,発症から転院までの日数は長く,当院入院日数には差がないが分散が小さい,入院前自宅生活と退院時杖なし歩行が少ない,入棟時FIMは同程度だが骨折群の退院時FIMは脳卒中群より低い.退院時認知症度Ⅱa以上の患者の割合と自宅退院率には骨折群と脳卒中群で有意差を認めなかった.脳卒中群では入院日数の違いで入棟時FIMが異なっていたが,骨折群では有意差を認めなかった.〔結語〕大腿骨頸部骨折の入院日数においては,術式の違いよりも認知症度や発症前の生活場所が関係している.また,脳卒中では入院日数の分散が大きいために複数の入院日数を設定する必要があり,入棟時FIMがその予測指標になる.これらの知見は地域連携クリティカルパス(以下,パス)を作成する際の基礎資料として有用である.
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