Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「くちづけ」―知的障害者の「親なき後」問題に迫る
二通 諭
1
1札幌学院大学文学部人間科学科
pp.871
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110250
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「くちづけ」(監督/堤幸彦)は,宅間孝行が,自身の劇団「東京セレソンデラックス」のために書き下ろした戯曲を映画化したものである.
「長万部くん」などのヒット作のある漫画家愛情いっぽん(竹中直人)は,知的障害のある娘マコ(貫地谷しほり)を男手ひとつで育てるために,この30年間漫画家を休業していた.マコは施設に入ってもすぐ逃げ出してくるので,いっぽんはマコが生活するグループホームひまわり荘に住み込みで働くことになる.いっぽんがそばにいるならマコも逃げ出すことはない.マコはトラウマを抱えており,時折パニックに襲われることもあるが,ひまわり荘の仲間たちや職員によって癒され,和らいでいく.とりわけ,うーやん(宅間孝行)には奇跡の王子様の如く心を開く.うーやんもまたマコとの結婚を夢見る.
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