特集 ‘気づき’のプロセスを探る
気づけなかったことが気づけるようになるプロセスを探ってみると
見藤 隆子
1
1東京女子大学短期大学部
pp.775-778
発行日 1977年8月1日
Published Date 1977/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922497
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
看護という仕事には,看護を行う人の人間性や人間観が深く係(かか)わってくるということに,異論のある方は少ないであろう.それでは,どのような人間性・人間観が必要なのか,あるいは,それらはなぜ必要なのか,ということになると,そう簡単には答えられないし,また完全に答えられるとも思えない.しかし,それでは人間性や人間観を育てる手立てがないのか,といえば,そうではない,と筆者は言いたい.
現に看護の場の中で,目を開いて注意深く看護を行う人が,患者に学び,自分に気づきながら人間的に成長していくのを我々は知っている.あるいはまた,学習の場の中で,人格の変容が起こり,もしくは自己のワクやカラに気づいて,その結果,今まで見えなかったり気づかなかった患者の側面が,見えたり気づけたりできるようになることも,我々は知っている.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.