Japanese
English
特集 アンチエイジングとリハビリテーション
動脈硬化症
Arteriosclerosis and exercise training.
家光 素行
1
Motoyuki Iemitsu
1
1立命館大学スポーツ健康科学部
1Faculty of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
キーワード:
有酸素性運動
,
レジスタンス運動
,
ストレッチ運動
Keyword:
有酸素性運動
,
レジスタンス運動
,
ストレッチ運動
pp.823-827
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110234
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はじめに
現在,高齢化社会が進むなか,国内の年間死亡原因の約26%程度(死因の第2位:心疾患および第4位:脳血管疾患)が動脈硬化性疾患である.「血管は年とともに老いる(ウィリアム・オスラー)」と言われるように,中高齢期から動脈硬化性疾患(虚血性心疾患,脳血管疾患)などリスクは急増する.さらに近年の生活習慣病の急増が,動脈硬化リスクファクターを増大させ,医療保険にかかわる国民負担の増加によって生じる介護保険財政の圧迫を促進させている.そのため,加齢に伴う動脈硬化性疾患リスク増加の予防・改善は重要な課題である.これまでの研究結果から,継続的な有酸素性運動は,動脈の内皮機能を亢進・改善させ,平滑筋のトーヌスや増殖を抑制することで動脈硬化に対して有益な効果を及ぼすことが知られている.近年,中高齢者における有酸素性運動を用いたトレーニング介入だけでなく,レジスタンス運動やストレッチ運動などさまざまな運動様式における動脈硬化リスクへの効果が報告されてきている.そこで本稿では,加齢に伴う動脈硬化リスクの増大と運動様式による効果の違いについて最新の知見を含めて概説する.
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