スポーツ医学の観点からみた生活習慣病と整形外科疾患

Lifestyle Diseases and Orthopedic Disorders from the Perspective of Sports Medicine

アスリートは，パフォーマンス向上のためにトレーニングの質と量を厳密に管理する必要がある．高齢者や疾病者においても，万人向けの運動指導では効果が上がらないだけでなく，疾病の悪化を招く場合もあり，アスリート同様に個別化した運動指導が求められる．運動による体力指標の改善は生命予後改善と密接に関連しており，疾病者に対しても従来の運動制限の考え方は見直され，リスクに配慮しつつ，積極的に運動が推奨される．ただその際に，低体力者ではわずかでも初期には十分な効果が期待でき，無理なく始め，徐々に運動量を増加させるとともに，身体不活動を減らすことが勧められる．