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中国におけるリハビリテーション医学の発展
1.リハビリテーション医学の発展の歴史および現状
中国におけるリハビリテーション医学は,1950年代,軍人障害者のために療養病院やリハビリテーション病院が建てられたことにはじまり1,2),1980年代に入ると急速に発展した.1983年に衛生部(日本の厚生労働省に相当)は北京小湯山,河北省立医院,遼寧湯崗子と広東従化に4つの国立リハビリテーションセンターの設置を公布した.1984年3月に中国障害者福利基金会が成立し,さらに同年には国務院が中国リハビリテーション研究センターの設立を決定した.1988年3月,中国障害者連合会が設立され,10月に中国リハビリテーション研究センターが設置された3).1996年,衛生部は「総合医院リハビリテーション医学科管理規範」を公布した.そのなかで,総合医院の一臨床科として,リハビリテーション科を2級および3級(等級は病院の規模と品質の水準を表し,3級が最上級)病院に設立することがはじめて義務付けられた.2011年,中国人民健康保険株式会社は一部のリハビリテーション診療項目を基本医療保険に入れた.これらの政策は中国のリハビリテーションの発展を促進した.
80年代以降の30年にわたる発展により,中国のリハビリテーション施設と従事者は一定の規模に達した.現在,全国3,288か所の総合病院(全国の総合病院の24.6%)がリハビリテーション科を設立しており,そのうち50%のリハビリテーション科は病棟を設置している.また,リハビリテーション専門病院は338か所あり,国内の専門病院の9.1%を占めている.リハビリテーション科のベッド数は52,047床で,全国衛生機構総ベッド数の1.18%を占めている.その内訳は39,408床(75.71%)が総合病院,12,639床(24.29%)がリハビリテーション専門病院である.リハビリテーション科従事者は,リハビリテーション科専門医15,949人,療法士13,747人,看護師10,137人である4).しかし中国の全人口に対するリハビリテーション従事者は,著しく不足していると言える.中国リハビリテーション学会の調査では,少なくともさらに30万人の療法士が必要と考えられ,その内訳は,理学療法士が18万人,作業療法士が9万人,言語聴覚士が1.5万人,義肢装具士が3.5万人とされている.
Abstract:After a rapid development in the latest 30 years, Chinese modern rehabilitation medicine has made a great progress in many aspects including the organization construction, disciplinary building-up, personnel training and the related rehabilitation service for the person with disability. In another side, it has formed to be a scaled-characteristics system. This paper makes a general overview of the history and current status of medical rehabilitation and related services in China, including education and professional training, scientific research problems of special current interest, and future prospects.
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